材木害虫対策 シロアリ類 キクイムシ類
羽アリを見たら要注意!
4月〜6月、ヤマトシロアリは巣別れの時季。新しい巣を作るために羽アリが大量に飛び出す群飛行動をします。家の中や庭で羽アリを見たら要注意!シロアリの巣があるかも知れません。
羽アリを見かけたら、被害が大きくなる前に点検をおこなってください。
シロアリは森の掃除屋さん
シロアリは、木材を食い荒らすため「害虫」として忌み嫌われていますが、自然界では枯れた樹木や落ち葉を分解する重要な役目を担っている森の掃除屋さんです。
木に含まれる「セルロース」を消化し、森の物質循環には欠かせない存在のシロアリは、世界中のどこにでも生息しており、2000種超が確認されています。その中で、建築物に害を及ぼす種は、ひと握り。
建築物の被害件数は圧倒的にヤマトシロアリ
日本で、建築物に害を及ぼすシロアリは4種類。それぞれ体の色やサイズ、コロニーの規模、生息場所などが異なります。
種 名 | 分 類 | 生 息 地 域 |
ヤマトシロアリ | 土壌性シロアリ | 寒冷地を除くほぼ日本全土 |
イエシロアリ | 千葉以西、西日本 | |
アメリカカンザイシロアリ | 乾材シロアリ | 外来種 |
ダイコクシロアリ | 沖縄、小笠原諸島 |
ヤマトシロアリは、日本に一番多く生息しているシロアリです。生息地域も寒冷地を除く日本全土にわたり、シロアリ被害の件数はヤマトシロアリが圧倒的。
関東・東京多摩エリアでの被害は、ほとんどがヤマトシロアリによるものです。
ヤマトシロアリの兵アリ
土壌性シロアリは、多湿を好む
ヤマトシロアリは、土壌性シロアリという分類になります。
土壌性シロアリは、「水分(湿気)」を必要とするため、水分を含んだ木材や土壌など多湿を好みます。土中から家屋に侵入。「蟻道(ギドウ)」と呼ばれるトンネルを作り、その中を移動します。
いろいろな蟻道。餌カスやシロアリの排泄物・分泌物を練った蟻土(ギド)でできています
シロアリは建物をボロボロにする
シロアリは木材を食い荒らしボロボロにします。見た目には丈夫そうに見えても、柱や梁、基礎部分がいつの間にかシロアリに食われてスカスカになってしまったら、家屋自体を支えきれず、建物は脆くなってしまいます。
シロアリの被害
羽アリは、シロアリ発見のチャンス!
シロアリは、その名前や姿、集団で生活する社会性昆虫であることから、アリの仲間だと思われがちですが、分類では「ゴキブリ目」ゴキブリの仲間です。
アリは、ハチの仲間です。アリがサナギを経て成虫になる完全変態であるのに対し、
シロアリは生まれた時から成虫とほぼ同じ姿をしている「不完全変態」の昆虫になります。
シロアリのほとんどは幼虫のまま一生を過ごします。光の届かない場所にいるため、体に色がなく半透明。普段の生活で我々がシロアリを目にすることは、ほぼありません。
そのシロアリが表に出てくる時季があります。新たな巣を作るための行動「群飛」の時。
羽アリとなったシロアリが一斉に飛び立ちます。
この時のシロアリは、羽アリであり、白くはありません。
外に出るため、体は黒、羽根は灰色、全体に黒っぽい色をしています。
羽アリは、短時間で100〜多い時では数千匹という集団が飛び出すため、
この群飛によって初めて「うちにシロアリがいる」と気づくケースは多いです。
あまりに大量のため「たくさん飛び立ったから、もう巣から全部いなくなった」と思われるかも知れませんが、それは間違いです。
羽アリとなるのは、わずか数パーセント。羽アリが出たということは、その何十倍ものシロアリがまだまだ家屋に潜んでいるということです。
羽アリを見つけたら、放置しないことです。
シロアリを見つけたら点検をおこなってください。
訪問させていただき、押入れの荷物をどかし、床を開けてみたところ。。。
床下の.木組みがすでに白蟻に食害され、こんな状態になっていました!
生きている白蟻も多数確認されました。
シロアリ被害があった木は出来る限り撤去し、その部分および床下全体の木部および土壌を消毒しました。